山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

ワシ、「タイガー」に会いに行く

いやなに、正確には「ギターの手付け金を支払いに出かけた」って事なんですがね。
店長さん、大歓迎してくださいまして(^^;
たまたまの偶然で飛び込みで入った店だと言うのに。縁というのは不思議なものであります。

ところがココで一つ、新しい出会いが又、ありました。
先日来訪した折りには居なかった若い男性(というか少年)@エプロン姿が居たんですね。
「彼は初めてご覧になりますか?」と店長さん。
「はい、先日はいらっしゃいませんでした」と返答すると、
「彼は僕の弟子です」と店長さん。

「はー」とワシ。

事情を説明してもらったら、なんとこの少年、ギターが大好きなんだが、親の厳命で「ギター禁止令」が出てて(凄いな)、親に隠れてギターを隠し持って弾いている状態らしい。
でもギターが好きで好きで。
「もっとギターの事を学びたい!」と冬休み中、この店長の下でギターのリペア技術等を学んでいるらしい。

この少年、県内有数の進学校の生徒で(ワシの従兄弟@内科医の出身校と同じ)、まあ「受験に差し障りがある」と言う事での「ギター禁止令」らしいのだが。
「こんなトコでこんな事しているのが親にばれたら一大事だな」と思うワシ。
でも実際に口に出たのは我が娘に向かって、
「君はホント、幸せ者だなー」であったんだが。

手付け金を我が娘が自分のサイフから支払うと、店長さんシミジミと、
「まさかねー、僕のギターがねー。女の子の所にお嫁に行っちゃうなんてねー。想像もしなかったなー」とおっしゃる。
「このギターはねえ、本当にこの店の象徴みたいなギターでねえ。本来はこの店あるべきギターなんですよ」とも。

__ホントは売りたくなかったんじゃないか?店長さん(^^;;

「昔の日本のギター製作の力量が、頂点だった頃の証拠の品ですからね。この店の精神の象徴でもあるんです。こんなギターの存在を知ってもらいたくて、僕はこの店をやっているんです!」とも。

__ごめんね、まさかホントにウチが買っちゃうとは思わなかったのかもしれんなあ。
ワシが速攻で気に入っちゃったから仕方ナイのよね。すまんすまん。

その後、店長さんの演奏で「タイガー」を聴かせてもらったが、この日の「タイガー」はまるで淑女のように、甘く透明な美しい声で歌っておりましたよ。
なんだかんだで、「アンプとシールド、ピックもおつけしますね♪」と大サービスしてくださったのでした。