山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

坂東真砂子騒動

今回の坂東真砂子の猫殺し騒動は、そのネット上での騒ぎっぷりのヒステリックさもハタで見てて面白かったけど(不謹慎)、騒いでいる人に中年女性や実際に動物を飼っている人が少ないってのが「面白い事だなあ」と単純に思う。
自分で野良猫を救ったりした事がある人の方が、かえってこの壮大な「仕掛け」に乗ってこないという気がするのだ。
「そんなに簡単には釣れないねえ」とこの騒ぎを薄ら笑い浮かべて傍観する感じ悪いオバサンのワシ。

勿論、生まれたばかりの子猫を崖の下に投げ捨てるなんてのはまったく「ぼっけえきょうてえ」の世界で誉められたモンじゃないんだが、でもやっている本人が坂東真砂子だったら全然不自然じゃないじゃん?
どうも騒いでいる人には坂東真砂子がどんな人かを知らないで騒いでいる人が多いようにも感じる。
だって、書いた本が「狗神」「死国」とか「山妣」だぜ?
近親相姦と死人と田舎の因習にがんじがらめになっている物語が本筋の作家ですよ?

実はワシは一時期、彼女の作品にはまってて、殆どの著作を読破したんだけど(それもエッセイまで!<因みに全然面白くない)、その結論は「いやあ、日本の田舎の人だなあ」だった。
しかも、タヒチに引っ越して(日本の田舎から逃れる為?)からは、加速度的にその書く作品が面白くなくなってきちゃってて、「旅涯ての地」を読んだ時は、あまりのツマラナサに大人げなく怒髪天になって、図書館の本なのに床に叩きつけましたよ(犯罪)

美大出身のミラノ帰り」とか聞くと、「一体、どんなインテリ!?どんなおしゃれな女性!?どんだけファッショナブルなのか想像もつかんわー!」が普通の一般的なイメージなんだろうが、いや、本当にその内面に、四国の山奥の、小さな村の神様に支配された田舎の因習の世界を同時に持っている人なんですから。
タヒチに逃げても逃げ切れない。そんなものを骨の髄までしみ込ませた人なんですから。
(だから今回、そんな事を自分が新聞紙上に書いたら、どんな事が起きるのか?の想像が今一歩足りてない_話題になって本が売れたらラッキー?ついでにこの騒動で面白い本が書けたらラッキー?位は考えたか?)
いらん子供が産まれたら川に流すとか、そーゆーメンタリティが息づいているような世界ですから>日本の田舎の因習。
だから多分、猫を殺すナンテのも、わりかし平気。

普通はソレがイヤダから去勢手術するんですけどねえ。