山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

タイニー・ボート 三番勝負 第六回

つまり、それまでワシが感じていたこの曲のコンセプト(?)が、コレまでの
「ね?こんなに好きなんだから ずーっと一緒に居ようよね?ね?」
と、言うものから↓
「こんなにあなたを待っていたんだから、こんなに好き合っているんだから、
ずーっと一緒に居るのは自然で当たり前の事だろう?だから一緒に年をとっていこう。
それは素敵な事だ」
というモノへと変わっているように感じたんですね。
同じ詩とメロディなのに、不思議。
この曲は娘の結婚式で歌って欲しいなあ。誰か歌がうまい人に(^^;

話を元に戻せば、この「タイニー・ボート」と「ストレンジ・カメレオン」との間には
深い断層のようなものがあって(眩しい物語に出てくるような美しい川vs「世間」と
言う名の地獄の川)これで時代が明確に分割されている訳です。
この同時期に作られた二曲がそれぞれ入っているアルバムのタイトルにもそれが
よく顕れているような気がします。

つまり、「ストレンジ・カメレオン」は1997年発表の「Please Mr.Lostman」に。
「タイニー・ボート」は2004年発表の「TURN BACK」に。

アメリカのファンが「PML」と呼び習わして愛してやまないこの「Please Mr.Lostman
というアルバム。
なんせ入っている曲が凄いんです。有名ドコロを挙げるだけでも↓
「stalker」「trip dancer」「 ice pick」「彼女は今日、 (today, she...)」
「strange chameleon (original story)」「swanky street 」「suicide diving」
「 please mr. lostman」
もう、今にも死にそうな鬱曲の大行進(ほっとけー!)
いや、今聴くと、タダの鬱曲じゃなくてちゃんと自分の決意表明だったりするんですが。
道に迷ってばかりいて、「ああじゃないこうじゃない」とメンバー3人でウロウロオロオロ
していた状態を正直に告白したタイトルに感じるんです。

そして「TURN BACK」は「過去を振り返る」というか、「ココで折り返し」というか。
過去に落とし前つけて、それで更に前に進もうと。
やはり、一度挫折した部分をやり直してこそ次に進めるというか。そんな事を感じましたね。
そういった意味でも、やはり、「タイニー・ボート」というのはピロウズにとって、
非常に重要な曲であるなと感じる訳でございます。

この曲を境に「真情吐露型ソング」を開発し、更にソレを乗り越えて「バカバカしい歌」も作れるようになった(^^;
それは多分、「スゴイ事」なんですよ。