山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

ういろううり

と言う訳で、我が娘、今は学校で「ババヌキ」に凝っているらしい。
GW中に某動画サイトで見た「大人のトランプ大会」にハマッタせいらしい。
これは凄く簡単なルールのババヌキで、通常のババヌキに「みんなのキャラクターを見抜く遊び」が加わったものだ。

コレは、「正直者は次の者にカードを引かせる時に、ことさらババ(ジョーカー)を抜いて一段高くして掲げて見せ、しかもソレ(ジョーカー)をご丁寧にカードの真ん中に配置して見せて、相手から『コレは何?』と訊かれたら、『ジョーカーですよ』と正直に告白する」という方式。
でも一方で、「ひねくれ者は、ババを引いても他のカードをババの代わりに真ん中に配置して抜いて見せ、しかも『ジョーカーはコレですよ?』とウソを言いながらババはちゃっかり他の場所に紛れ込ませておいて、相手にワザとジョーカーを引かせる」というセコイ手をも使うというもの。

相手のキャラクターを読み解く力と心理戦を駆使するせいか、ジョーカーの巡りが異様に早くて盛り上がるらしい。
「…とても受験生とは思えないなあ」(母の正直な感想)

で、その受験生は今、「外郎(ういろう)売り」の口上にはまってて(変な女子中学生)毎日練習しているのだが、どうもイマイチ、滑舌が悪いので、母の厳しい指導を受けているし。
母が夕飯を作りながら「外郎売り」の口上のお手本を示し、娘は必死でそれに食らいついてくるという…
ハタから見たら変な母娘だろうが、コレが結構楽しい。
さあ、みんなもやってみよう!↓

「拙者親方と申すは、御立会いの内に御存知のお方もご座りましょうが、お江戸を立って二十里上方、相州小田原一色町をお過ぎなされて青物町を登りへお出でなさるれば、欄干橋虎屋藤右衛門、只今は剃髪いたして、円斎と名乗りまする。」
 「元朝より大晦日までお手に入れまするこの薬は、昔陳の国の唐人「ういろう」という人、わが朝に来たり、帝へ参内の折から、この薬を深く篭め置き、用ゆる時は一粒づつ冠の透き間より取り出す。依ってその名を帝より、透頂香と給わる。」
「即ち文字は透き頂く香りと書いてとうちんかうと申す。」
「只今は此の薬殊の外世上に広まり、ほうぼうに偽看板を出だし、いや小田原の灰俵のさん俵の炭俵のといろいろに申せども、平仮名をもって「ういろう」と記せしは親方円斎ばかり。」