山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

11月は逢魔が月 その11

で、その時ダンナから聞いた話は以下の通り。
カギで義弟宅の玄関ドアは開いたものの、家の中は整然としてて人の気配が無い。
「コレはおかしい」と流石のダンナも気がついて、家の中を見渡すと、「バベルの塔」は更に成長してて、家の中には「寝る場所しか残されていなかった」らしい。

「この片づけ方は明らかにおかしい」と気がついて、義弟宅で待ち合わせをしていたNさんに電話して、
「今、家に入ったのですが、どうもガスも止められているみたいで…」と話しながら、台所のガス台の前まで歩いて行き、そこで開いた風呂場のドアから義弟の縊死遺体と対面。
ダンナそのままパニックになり、ものすごい叫び声を上げ続けたらしい。

電話していたNさんもビックリして、「今すぐ行く!」と電話を切ったが、ダンナはそのままケータイ片手に延々叫び続け、その叫び声は団地中に響き渡り、団地の住人が警察に通報。
ダンナが叫び続けてやっと気持ちに落ち着きを取り戻し、自分で警察に電話した時にはもう、警官が義弟宅に向かって来てる所であった。

団地住人の通報により、義弟宅に駆けつけた警官が、「どうかしましたか?大丈夫ですか?」と義弟宅に入ってきた…と思ったら、その警官は、夕べ深夜、ダンナが相談に行って、「弟さん宅の玄関のドアを開けるも開けないもお兄さんの気持ち一つですよ」と話した警官、その人であった(偶然)

警官はダンナの顔を見るなり、「あ、夕べの…」と言い、ダンナも、「あ」と思い出して、「やはりそうでしたか」と警官がダンナに言ったらしい。
偶然にも前の晩(明け方?)話した警官が駆けつけてくれたので話は早かった。
すぐに検死作業にとりかかり、死亡時刻は「24時間以上前」と診断が下る。

すると近所の葬祭場の人も駆けつけて来て、検死作業後、義弟宅で簡単なお通夜の準備をしてくれる。
もう既に、生協の葬祭サービスからの話しもちゃんと伝わっていたらしい。

それでダンナは義弟の遺体の守をしながら義弟宅のバベルの塔と格闘し、「馬鹿じゃネエの、こーんなにつまらんゴミを溜め込んで」と遺体に向かって文句を言い続けていたらしい。
それと、カギと同封されていた3桁の数字のナゾも一緒に解けた。
正解は「郵便受けのカギの数字」であった。
ダンナがその数字に合わせて廻してみると、カチリと郵便受けが開き、中から色んなもの(請求書やら合い鍵やら)が出てきた。