山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

火葬料金は五倍

今回の義弟の自殺で咄嗟に思った事は、「葬式、どうしよう!?」であった。
ウチと義弟宅は90キロ離れているし、ダンナ方の親戚は全員、義弟宅の近所に住んでいるがなんせ80歳超のおばあさまがたが大勢…
義弟がおそらく自殺したと思われるその日は寒かったが、その翌日、翌々日とも昼間は真夏を思わせるような気温の日であった。
ワシとしては義弟の遺体をウチの近所の斎場まで運んでもらって、コッチで荼毘に伏して密葬を…というカタチにしようかと思っていたのだが、「住民票が無い土地で荼毘に付すと、料金が五倍かかる」事が判明orz
「さーて困った」としばし考えて思い出した。

ワシは実はつい最近まで生協の委員をしていたので、昔、生協の葬祭サービスの担当者を呼び、組合員さんたちを集めて葬儀の勉強会を開いた事があったのだ。
「あ、そうだ。ココに相談すればいいんだった」と思い出したワケ。

早速生協の葬祭サービスに電話。
担当の人に事情を話し、「こんな場合、どうすればいいんでしょうか?」と聞くと、スグに義弟宅の最寄りの葬儀社を教えてくれて、
「そちらの担当にコチラから大方の話しはつけておくので、どうぞご相談してください。ウチの担当者もスグに行かせますから」と言ってくれた。

その旨、義弟宅で警察による検死の作業を待っていたダンナにケータイで伝えると、「その葬儀社の人が警察に呼ばれて来て、今、遺体を綺麗にしてくれている所」と言う。
「じゃあ、話が早いわ」と少し安心する。
義弟は突然死んじゃうわ、親戚はいないわ、葬式の段取りも考えなきゃいけないわ、子供はお腹空かしてピーピー言っているわでその時のワシは冷静でありながらも内部ではものすごくとっちらかって居たのだ。

丁度、義弟の遺体発見の前日、ワシは「多分、あんな手紙を送ってきたんだから、義弟はもうとっくに死んでいるんだろうなあ」と思っていたので、ダンナには「義弟宅の最寄りの警察署に行って、警官の人に義弟の姿が見当たらなくなったいきさつをちゃんと話しておきなさい。話しを通しておけば、後々話が楽だよ」と言っておいたのだった。

すると検死に来た警官は丁度その前夜、ダンナが「実弟の行方が判らなくて」と事情を話して相談に乗ってくれた警官であった。
「やっぱりそうでしたか」と警官は言った。