山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

フィルモグラフィからは抹殺されている作品

今年の春から、図書館のビデオ貸し出しサービスが開始されたおかげで「タイトルを聞いた事もナイような映画」の発掘が出来て結構な事だ。
以前は「図書館内だけでビデオ観賞OK」という状態だったので、遠隔地の観賞希望者はビデオを見る機会に恵まれなかった。

まず、館内ビデオブースの順番待ちが大変。
開館とともに利用者が一斉にビデオブースの受け付けに殺到しorzケガ人まで出る始末。
一時期、図書館の入り口には「開門されても駆け込まないでください」というハリガミがあった。

でかつては、そのビデオブースは10数機設置されており、至近距離で21インチのモニターを眺めながらソファに座ってアクリル板で側面を囲まれ、でも上からは覗き込める…という感じの「半クローズド」な空間だった。
するってえとビデオブースはなんだかアヤシイ人たちが長編のビデオを流しながら昼寝をするためのシェルターと化してしまい、半日居座っちゃう人が多い(殆ど?)ので、このビデオブース周辺には履き古した靴の中のような匂いが立ちこめ、「ヤレタ雰囲気」が漂っていた。

そこで結局図書館は館内のソファを全撤去。
堅い木のベンチに差し替えて、ビデオブースも一掃。
ビデオも貸し出しOKと切り替えたのである。
おかげで田舎に住んで居るワシも蔵ビデオを見る機会に恵まれるようになったという次第。

それとこの図書館はアジア映画の収集に力を入れている事もあって、古い日本映画のラインナップが丁寧。
盲滅法に「ん?、コレ!」と選んでもハズレが無い(全部が全部とは言わぬが、「ナンジャコリャ、オオハズレーー!!」と絶叫した映画は、チャン・イーモウの「ハイジャック」http://cinema.intercritique.com/movie.cgi?mid=2440ダケである)<しかし、この作品の所蔵に関しては「(この図書館の映画収蔵責任者の)チャン・イーモウに対する嫌がらせなのではないか?疑惑」を実はワシは考えている。
「どんなにエラソーに巨匠ぶった所でオマイは所詮●●●だ」という戒め?と言う気がする。

福岡アジア文化賞http://www.city.fukuoka.jp/asiaprize/チャン・イーモウに与えた際にこの「ハイ・ジャック」を記念上映したというのが何よりもその疑惑を裏付けている気がしてならない。
(普通、チャン・イーモウのフィルムグラフィからは抹殺されている映画なので。「テラコッタ・ウォリア」と並んで<コッチは大名作!)