山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

O君のこと

モノスゴイ大雨。
午前中、近所の子供が遊びに来たので、子供達に留守番させて買い物に出かける。
本屋へ行くが、映画秘宝の今月号は未入荷。
「うーん『二つの塔』の特集号なのになあ」<映画を既に観たクセにまだこんな事を言う。

食料品を買って、ダンナのセーターとシャツを買う。
ついでにワシの服も見るか?と一階の洋品店を覗いて、ミッドセンチュリー風のプリントがなされたカットソーを見ていたら、声を掛けられた。

見るとO君であった。
「買い物ですか?」と話しかけられ、「おぉ!久しぶりだなあ」と答えた。
O君は十代で心の病を得、それ以来病院通いしている青年である。
最近、自活の道を探ってお店のバックヤードで働いている。

「仕事は毎日行っているの?」と聞くと、「毎日行ってます」と答える。
「●●さん(ワシの名)赤い車をいつも駐車場に止めているでしょう?車をいつも見かけるもん」と言われる。
「買い物もしているから、駐車するのを許して」とお願いする。
しばらく立ち話して、別れた。

「そうかー、ちゃんと働いて居るんだ。仕事が続いていて良かった」と思いながら服を見続けていたら、O君が戻ってきた(o_ _)o
「話し足りなかった」らしい(^^;

「ねえ、●●さん、何歳になった?」と突然ワシに聞く。
「きゃー!女性に年を聞くなんて失礼よ!そーいうキミは何歳になったんだね!?」と言うと、「今年26」と言う。
「うわ!初めてキミに会った時、キミは19歳だったよねえ」と言うと、「そおそお」と答える。
「ワシは42になったよ!」と言うと、「えー!もうそんななのー!?」と笑う。
「そうだよー、でもO君もいい年だなあ、自活も頑張っているし、一人前の男性だなあ」と言うと、「うんボク、頑張っているよ」と言う。

彼はまだ強い薬を服用し続けなければイケナイので、車の免許も取れない。
なかなか大変な人生ではあるが、頑張っている。
しばらく立ち話をして、お互いの近況や共通の知り合いのうわさ話をして笑って別れた。

別れた後で思い出した。
「あれ?まだギターは弾いているのかな?聞くの忘れちゃってた」
相変わらず全身がほっそりしていて少年のような姿だが、26かー。
彼がマダ19歳で、将来の自活の道を探り始めた頃に知り合ったのに、そんなになっちゃったんだ。
最近は会う機会も少なくなっていたけど、偶然でも会えて良かった。
オバチャンはキミのシアワセを祈っている。