山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

路上の血溜まり

朝、ボイスと散歩に出ようとしたら、ダンナがワシに、「路上の血溜まりは見た?」と聞く。
「え?ドコに血溜まりが?」と聞くと、
「山の中の道、祠の前の斜面からナニかが転がり落ちた形跡があって、下に一面血が飛び散っているよ。昨日、アソコでイノシシの捕り物があったらしいな」と言う。

ボイスを連れて早速見学。

夏場はいつも通る山の中の道(陶芸への近道なのでよく使う)だが、この季節はイノシシの遭遇率が跳ね上がるので、なるべく通らないようにしている道。
ウチの前の山道をずーっと下っていった先なのだが、舗装された本道と違い、細い、山の中の道なので、通るのは、畑に作業に行く近所の人の軽トラくらいなものな道である。

言われた地点まで来ると確かに。
モノスゴイ血溜まりが出来ている(写真掲示板参照)
この祠の前あたりから狙って、崖の途中の獣道にいたイノシシを撃ったらしい。
崖を転がり落ちて、路上でもんどりうち、さらにそこで散弾を打ち込まれて絶命した模様。
あたりは弾を受けたときに出来たらしい血しぶきも飛び散っていて、凄まじい生々しさである。

ボイス、イノシシの血痕にコーフンして辺り中を嗅ぎ回る。
崖の獣道も匂いをたどっていって山に入ろうとするので、引き留める。
この獣道は夏場もボイスがとても気にしている道だ。
常にイノシシの行き来がある道らしく、ボイスは散歩チュウも必ずチェックして、イノシシの通過時間が近かったりすると追跡しようとする。

次にイノシシの捕り物があるとすれば、現場はココだなと思っていたが、やはりそうであった。
とりあえず、散歩チュウに出くわさなくて良かった。
猟の解禁は2月まで続くので、まだまだ油断はならない。

正月の寒波が去って暖かく感じる。
道ばたの野生の水仙も花盛り。梅の蕾も膨らんで、ぼけの花は咲き始め。
散歩していると色んな種類の野鳥を見かけるようになった。
雪が降る最中は隠れていた鳥たちも、この陽気に誘われて動き回っているらしい。

藪の中を歩くヒバリ。くちばしに小枝をくわえて飛ぶカチガラス。
ボイスの冬毛も抜け始めている。
ケツの辺りがボフボフ。
「もう冬毛を脱ぐの?ボイス?」と話しかける。
なんとなく春の予感。