山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

真面目に絵に向かうワシ

ナンカ身体がヘン。
肩が異様に重いのだ。
ワシはここ6年くらい「肩こり知らず」の身体を誇ってきた女なのに、何故?

理由が判らなくて、散歩チュウも肩をブルンブルンぶん廻してみる。
左肩はそんなに凝ってない。
のに、右肩だけがシコリが出来たみたいに痛い&重い。
「風邪がぶり返して来た?」とか色々思いながら歩いていて、ひらめいた!
「あ、模写のせいか!?」

実は、新年明けてから、「お正月の暇つぶしに」と久々に本格的な絵の模写を始めたのだ。
お題は「おとぎの樵(きこり)の入神の一撃」(The Fairy Feller's Master Stroke )byリチャード・ダッドである。
「その絵を理解するには、模写をスルのが一番」というのが若い頃のワシのテーマであった。
年末にイイ(値段の)画集を買ったし「その記念に」と思い、ナニゲに始めた模写である。

ダンナはワシが久々に絵を描いているので、「うわ!ミカボが10数年ぶりに真面目に絵を描いている!」と驚愕している。
小さな、ハガキより一回り程度大きな紙に、一日2時間程度ずつかけて、チマチマと描き込んでいるのだ。

最初の二時間でペン入れした部分は、全体の20分の1にも及ばず、「コレは完成までに一体何時間かかるんだろう?」と気が遠くなったものだが、サスガに1週間以上もかければ、随分と画面の密度が上がってきた。
(元の絵は60センチ足らず四方の小さな絵であるが、10年近く描き込んだ挙げ句に未完である。とにかくその密度がスゴイ)
完成までもう少し。

それこそ、トレスコとか使えばもっとカンタンに正確に模写が出来るのだろうが、今回は敢えて、自分の目ダケを頼って模写してみた。
ので、当然歪みが出てきているし、原画とは違っている部分も多い。
しかし、自分の目がこの細密な世界に追いつけて行けるのも、ワシの人生ではそんなに先が無いはずだ(そのウチに老眼も入ってくるし)
指先だって、この細密の描写にキチンと追いついていけるだけの画力があるのは今のウチだけだろう。

自分の体力と画力の衰えと向かい合いながら、毎日少しずつ模写をしてゆく。
結構楽しい作業だ。
真剣に小さな紙に向き合って、描線を重ねる、ダイニングテーブルの上。
そりゃあ肩も凝るはずである。

肩こりに対抗するために寝る前にダンベルを持ち上げる。
絵を描くにも筋力は必要だ。