山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

しこり、リチャード・ダッド、薪のプレゼント、財布

朝起きたら、「く、クビが、イタイ?」
昨日も何となーくクビが痛かったのだが、朝起きたら一段と酷くなっている。
触ると、クビの左側にしこりの様なモノが出来ている。
クビを真っ直ぐ立てた状態でも痛いし、曲げても痛い。押さえるともっと痛い。

実は十数年前に原因不明でクビのリンパ腺が異常に腫れて、あやうく手術するところだったことがあった。
当時は「ガンの疑いもある」とか言われて、真剣に入院その他の心配をしていたのだが、幸いなことに、内科医に処方して貰った抗生剤が効き、タッチの差で手術を逃れられた・・・という事があった。

「あの時の症状が似ている?」とちょっと嫌な気分になる。
どうにもこうにも痛いので、ダンナに見て貰うと、
「しこりの真ん中に刺し傷がある」と言われる。
どうやら虫に刺された跡らしい。原因不明のリンパ腺の腫れじゃなくて良かった。
(昨日散歩チュウにナニかに刺されたか?)
キンカンを塗るが、やっぱり一日中イタカッタ。

年末調整で少し現金が返ってくる。
ので、以前から欲しかった画集をネットで注文する。
リチャード・ダッドの画集。
高校生の時、その作品を雑誌の特集記事で見つけて、速攻魅入られてしまい、掲載誌を衝動買いしてしまった過去がある(その本は未だに持っている)
日本で画集が出たのはここ10年くらい。

不思議な経歴を持つ画家で、その人物像はとても計り知れない。
19世紀イギリス、早熟な天才少年、同性愛、中東への旅行、熱病から精神病の発病、父親殺し、精神病院での創作活動、容貌の劇的な変化。
犯罪者であり病人、天才でありながら筋金入りの幻視者。ホンモノのアウトロー
不思議に歪んだ眺め、狂った遠近感。微に入り細に渡る緻密な世界。
卓越したデッサン力と非凡な構成力、抜群の才能。
今でこそ、一般社会から逸脱した芸術家の作品は日の目を見るチャンスも増えたが、日本での評価はゼロに等しい画家である。

工務店の大工さんがトラックで廃材を持って来てくださる。
大喜びで受け取るワシラ夫婦。
また乾かしてチェインソーで切るのだ。ワクワク。
東側の壁の横に廃材を積み上げる。コレでこの冬の薪の心配はもうナイ。

この後、大工さんが財布を無くすというハプニングが起きたのだが、財布は無事、警察に届けられていた。
この世知辛い世の中、大変美しいことだ。
よし、まだ、ヒトを信じていよう。