山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

タヌキとキツネ

ダンナ、風邪気味。
仕事が忙しいので仕方ない。夜も遅くまで寒い仕事部屋で頑張って居る。
「喉と頭がイタイ」らしい。

冷たい雨に時々アラレが混じっている。
鋭く冷え込む朝。
一応、雨がかりシナイ場所に洗濯物を干すが、コレからは洗濯物が乾かない季節。
玄界灘沿岸は、冬の間、天気が悪くてカラリと晴れる日が少ない。
除湿器にも霜が付いて動かなくなる季節だ。

雨が小雨になるのを待ってボイスの散歩。
寒くなればナルホド、ボイスやたら元気がいい。
散歩の服装で出かける準備を始めると嬉しがってまとわりついてくる。
「散歩?散歩でしょ?まだ行かないの?早く行こうよ」とニコニコ笑顔で足下にまとわりついてくる。
ハーネスを着けるためにベンチの上に「オスワリ」と言うと、急いで飛び乗ってビイシィッ!!とオスワリのポーズを決めて待っている(しかも、その間中も無言・・・ひたすら無口な男、ボイス)

「この前落とした帽子はないかしら?」と先日の散歩コースをたどってみるが、落ちていなかった。
ボイス、タヌキが目の前を過ぎったので大コーフン。

午後は大雨となり、子鬼を迎えに昔の航空隊(戦時中、この地には海軍の施設があった。父の兄は予科練を出た後、ココにしばらくの間、配属されていた事がある)の滑走路跡地沿いの直線道路を走っていたら、大雨の中、痩せた犬が畑を横切って道路上に飛び出してくるのが見えた。

「随分と痩せた貧相な犬だなあ、野良かな?」と思いつつ、走る犬を見ていたら、コッチに向かって走ってくる犬の顔がハッキリと見えてきた。キツネだった。
「野生のキツネかぁ!」とビックリ。
タヌキはウチの庭に入ってくることもあるし、散歩チュウも見かけることがあるので珍しくはないが、キツネは珍しい!

何度か死んでいるのは見かけたことがあるし、夜、泣きながら山から下りてくる声は聞いたことがあるが、生きて走っている姿は初めて見た。

痩せた柴犬系雑種というカンジで、頬と腹、足の先が白い。
目がヤハリ、とても印象的でかなりスルドイ。
キツネは道を横切り、山の方へ向かっていった。

夕方、暖炉用の薪を割っていると、ボイスがチェックしにクル。
「何しているの?楽しい?匂い嗅がせて」とまとわりつく。
ナタを振るっているので「近寄らないで」と言うと、割った薪を入れている籠の匂いをチェックしている。

檜を割ると、フィットチンドの爽やかな匂いが辺りに散る。