山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

子鬼の記憶力

空は高く、空気は乾いて、良いお天気。秋の空。
朝から、シーツを洗って布団を干して、ボイスの散歩。

山道を下って歩いていると、向こう側からクルが歩いて来ている。
「おぉ、クルちゃん♪」と声を掛けるが、ジッと黙ったままコッチを見ていて反応がナイ。
「アレ?おかしいな。クルちゃんは呼べば(呼ばなくても)返事する猫なのに?」と近づくと、慌てて逃げて行く。
「え?」と後ろ姿を見ると、シッポが寸詰まりで全然違う。
首輪もしていない(クルはグリーンの首輪、甚五郎は黄色い首輪をしている)し、「他猫の空似」であった。
ボイス、クルじゃないとワカッタ途端に後を追おうとする。
「ダメダメ」と言いつつ、散歩を続行。

田圃の中の農道を歩いていたら、長々と道沿いにシマヘビの死体が横たわっていた。
「さっき、ヤマカガシの礫死体もあったしなあ、夏の終わりは蛇の受難の季節か?}と思いつつ、死体の横を歩いて行くと、「このシマヘビ、ドコにも外傷がない」と言うことに気がつく。
念のため少し離れて石をぶつけてみる。

生きてた(--;
日向ぼっこでヒルネの最中であったらしい。
道ばたで寝るのは構わないが、一直線になって真っ直ぐな姿勢で寝るのは止めて欲しい。蛇に見えないよ。

午後は歯医者。
先週型を取った、欠けた歯に銀を詰めて、以前治療した跡の詰め物の色が変わっている部分を詰め直す。
他にも、昔の治療跡の色が悪くなっている部分があるので随時治療する予定。

モスバーガーの横を通っていたら、子鬼が突然、
「お父さんがお母さんの大事な金魚ちゃんTシャツにココで、ケチャップをどひゃって掛けちゃったのよねえ?」とシミジミ言う。
記憶力が良いこと。
アレは去年の夏の出来事。子鬼三歳前の事なのに。

家に帰って懐中電灯を持ってきて、子鬼、
「去年、オバアチャンちでクルちゃんが居なくなったときに、隣の倉庫まで行って、コレで照らしながら、みんなで『クルちゃぁ??ん』って探しに行ったもんね!」と言う。
ソレも子鬼三歳前の出来事。
去年の記憶だ。

特別家庭内で繰り返し話した事もない話題なのに、子鬼にとってはこの去年の夏の事件二つは、余程印象に強かった出来事らしく、突然思い出して語り始めた。
三歳前の記憶って結構残っているものだな。