山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

風邪が抜けません

幼稚園の用品販売日。
朝から子鬼をたたき起こして出発。
冷たい雨の中、幼稚園へ。

幼稚園では説明会と用品の受け取り。
会計を済ませれば用事はソレでオシマイ。
後は家にある制服とモウ一回引き合わせて確認すれば良い。
隣町の友人Tは東京に単身赴任チュウのご主人連れ。しかし、居心地が悪いらしく、ご主人は早々に駐車場へ戻ってしまう。
う?む、確かに他は母と子供ばかりで居場所がナイ感じは受けるだろう。

何故か家に帰ったらダンナが映画「曽根崎心中」の事でワシに文句を付ける。
「あんなツマラナイ映画を劇場で観たら怒るね!」と真剣に言う。ふ?ん。
イヤ、ワシは純粋にあの映画に感動したんだけどね。
ダンナは「腹が立った」らしい。

まあ、ワシも「鉄塔武蔵野線」では腹が立ったから(あまりにも「一見見た目が良いのに愛がない殺伐とした冷たい映画」だったので)コレでオアイコ。

でも、男の人にとって、「愛」なんてテーマは普段考えもしない、日常には全然関わりのないモノなのかも知れない(特に日本人の場合は・女の場合は全然違う・毎日「愛」を基準にしてしか物事を考えてイナイ気がする>特にワシの場合)

いや、だからこそ、マエストロ増村は素晴らしいのだが。
男の人で、ましてや日本人で。あの「ヨーロッパ型恋愛至上主義」を完成させたから。
自立した個人対個人のその全存在を賭けたせめぎ合い、身を削る恋愛。そんな境地はナカナカ小説の中でだって日本では成立出来ない(ましてや実際の人生の中に於いては・そもそも「そんなモノがある」という事そのものを理解していないクリエイターがナント多いことか)

しかし、(その事を知っている)このワシのような女と結婚して居てすらもダンナにはソレが判らない。
ソコが彼の愛おしい可愛い可憐な部分でもある。
コレがもし、マエストロ増村型ヨーロッパ恋愛至上的男性と、ワシが恋に落ちたら、タダで済まない(多分)ので、この夫でバランスが取れているのだ。
「夫婦はバランス」

ワシはこの映画の本質が判っているから、別にダンナに批判されても腹も立たない。
むしろ、一生懸命ムキになって批判する彼を可愛いと思う。

「判らない」と20年も連れ添った夫が言う。
でもだからと言って彼を嫌いにはナラナイ。むしろ、「愛おしい」と思える。
夫婦は不思議である。