山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

今村=トリアー説・子供がよく泣く日

晴れると外は、既に春の雰囲気。
庭に雑草が伸び始めているので、せっせと草むしり。
すると子鬼がシャベル片手に下りてきて、「アタシも?♪」と芽が出た球根をほじくり返す。
「ヤメテ?!」と言っても止めない。
ワシが庭に出ている間は、子鬼も庭で「庭荒らし」の作業に没頭する。
あ?あ、折角芽が出たトコロを踏みしだきまくっております。

子鬼、庭でコケる。
わんわん泣く(珍しい)ので、見ると、指先にトゲが刺さっていた。
ピンセットを持ってきて、子鬼を膝に乗せて日向でトゲを抜く。
子鬼、大泣き。
幼児虐待並みに大声で泣き叫ぶので困るが、無事、トゲは抜ける。
抜けたらケロリと泣きやんだ。

ボイスの毛が浮き始めているので、せっせとブラッシング。
恐いくらい抜ける。
毛布が作れる位、盛大にボフボフぬける。
梳(す)きブラシで梳いて、馬用の「ノコギリブラシ」でこすると、次から次に綿毛状のベージュ色したアンダーコートが抜ける。
抜けた毛は風に乗って中庭を転がり、裏山に紛れてゆく。
コレを野鳥が巣作りの材料にするために、くわえて飛んで行くようになったら、本格的な春。

午後、今村昇平のドキュメント番組を見る(以前、NHKで放映されたモノ)
「人間蒸発」(1967年作品)は見たことがないが、方法論としてはラース・フォン・トリアー(「奇跡の海」「ダンサー・インザ・ダーク」)に近い気がする。
引き続き、「楢山節考」(1983年)を観る。

以前、観たときと印象が全然違うのでビックリする。
昔はもっと「観ていて居心地が悪かった」気がしたが、今回は「日本昔話」的な「のほほん」を感じた。
無論、話は残酷なんだけど、「その程度の残酷さには馴れた&オトナになった」って事か?
現実生活での残酷さも、この映画に負けないくらいに残酷な一面があることも知ってるから笑って「のほほん」で観ていられるのだ。

あれ?コレってもしかして「トリアー作品」に似てないか?
いやモチロン、「子供には見せない方がイイ映画」なのダガ(ソコもトリアー作品と似ている?)
人のイヤな面バカタレな面を見せつけるための映画っつーか、観客も俳優も監督の手の中で操られる感覚っつーか。

子鬼、夜は夜で薪ストーブにイタズラして、鉄の扉に指を挟んで大泣き(火はついてなかったんだけど)
せちたろーは魚の骨をノドに引っかけて大騒ぎ。

祝「オトナ帝国の逆襲」2001年度HIHO選出ナンバー1映画!