山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

慰めより笑いと怒りを

早朝、久しぶりの雨。
雨がやむのを待って散歩に出たのが8時過ぎ。
あまりに涼しいのでビックリする。
ボイスは山の中に続く獣道(けものみち)を慌ててかぎ回る。
少し前にイノシシが上っていったらしい。
すぐそばのグラウンドでは早朝野球の人たちがグラウンド整備の作業中。
自分たちのすぐそばをイノシシが通ったとは思ってもいないだろう。
夏休みも今週でオシマイ。

散歩から帰ってボイスの足裏を丁寧にタオルで拭ってやる。
ボイスは外犬だが、玄関と一階の廊下だけは出入り自由なので。
玄関から上がってきて、ボイスゴロンと廊下で横になり、涼む。
ワシがシャワーを浴びた後、テレビを見ながら着替えていたら寝室の入り口にアゴを乗せて一緒にテレビを見ている。

町田康実録・外道の条件」読了。
あぁ、面白い。
金がない仕事が少ない底辺エンタティナー苦闘の物語(実話?)
契約がらみの面倒ごとに巻き込まれたり、仕事の出来ないスタイリストに振り回されたりして、酷い目に遭う主人公の姿はヒトゴトであるから大いに笑える。

しかし、この怒りを(多分)エネルギーにして真面目に仕事なさったオカゲで今の町田氏があるのかも?(嘘。才能が正しくキチンと発揮されたからこそ、今のお姿があるのだ。苦闘の日々にじっと耐えて我慢ダケして奴隷のようにこき使われたから、今の姿があるというわけではない、念のため)
いちいち肯くことが多くて、困る。

ワシと年が近いせいかしらぁ?でも、年が近くても辻仁成はイヤだ。
アレは(アレ呼ばわりかいっ!?>辻仁成)割かし、中高年のおじさまのココロの琴線に触れるモノなのではないか?
なんか「オヤジ殺し」な文体&内容な気がする。
(ソレは柳美里と同じか?)

朝日新聞の夕刊の連載小説(浅田次郎)といい、最近「オヤジ殺し」なモノがもてはやされている気がする。
みんなそんなに慰められたい?
家庭にも会社にも居場所がないのか?
ダレからも愛されてないのか?
ホントはタダの口当たりの良いノスタルジックなお話に、「癒し」という仮面をかぶせてしまって読者のみなさんを気持ちイイだけの世界に導けば、早晩、日本のココロ正しいおじさんたちもダメダメ光線にヤラレチャッテ、愚痴だらけ可哀相&同情欲しい&尊敬欲しい親父に一丁上がりな気もする。
コレを亡国の序曲といわずにナンと言う!?(オオゲサ)

生活に疲れたおじさんにこそ、町田康を読んでいただきたい。