山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

ボイス、猫を拾う(?)

夕方、ダンナが「シャム猫が庭にいるよ」と言う。
二階の窓から下を覗くと、確かに、いる。
庭にうずくまって、動く気配がない。

「猫マニアの犬」ボイスが猫に遊んで欲しいらしく、「うひゃらひゃらひゃら」と甘えた声で泣きわめいてウルサイ。
しばらく様子を見ていたが、全然移動する気配がナイので、下に見に行く。

近寄ると、このシャム猫、警戒して身構える。
「ちっちっち」と言いながら猫に近づくが、「さっ」ときびすを返して逃げる。
「あ、逃げたか」と思いながら後を着いて歩くと、裏山へ逃げ込もうとしていた。
「裏山に逃げ込まれたら、人間のアシでは追いつけないわ」と見ていたら・・・・

ボイスが「ジュラシック・パーク」のラストシーンのティラノザウルスのように急に家の影から現れて、シャム猫の胴体を「ぱく」とくわえる!!
ワシ、ビックリ。
「ボイスもついに猫との友情を諦めて、犬の本能が目覚めたのか!?」

既に、ワシのアタマの中の映像では、「猛り狂ったボイス」がシャム猫をくわえて、「ぶんぶんぶん」と「しぇきな・べいべ」の刑に処し、猫の肢体をバランバランに食いちぎっているトコロであったが・・・・

フト、現実のボイスを見ると、シャム猫の胴体をくわえたあと、両前足で挟みこんで、「ぺ??ろぺろぺろ」と猫の体中を舐め回し始めた。
「・・・・クルにやることと同じコトやってる」
コレはウチでは「ごく日常的な犬と猫のコミュニケーションの姿」だが、世間一般では「大いにチガウ」

当然、シャム猫はこの初めての経験(多分)に大パニック。
「うぎゃ??殺される??ナニするの??死ぬ??」とギャースカ叫び狂い、必死でボイスに爪を立てるが、ボイスは全然お構いなし。
「あ??猫が抱っこできて、シアワセ??♪」の表情で舐め回す(特に尻)

「あ」とワシ、我に返り、ボイスに「ご苦労!」と言いつつ猫を奪う。
見れば、純血の雄シャム猫
散々山を彷徨ってウチにたどり着いたらしく、やせ細っている。
軽い脱水症状が出ている様子なので、取りあえずフードと水を与える。
シャム猫は大喜びで「ガツガツ」とイッキ喰いする。

夜はウチの軒下を貸す。
段ボール箱に古いバスタオルを敷いてソコに寝かせる。
明日までまだいるようならば、獣医に「迷い猫」として届けるしかないだろう。
ボイスは「気になってショーガナイ」らしく、猫の様子をコソコソと覗き見していた。