山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

ある、魔法のオワリ

子供部屋の大掃除。
ソファベッドを入れて「子供部屋」から「イチ個室」へと部屋の機能そのものを変える。
実は、もともと模様替えが好きな女(ワシ)
「思いついたが吉日」で、一人で家具も全部動かして「より、居心地がイイようにする」のが趣味。
ダンナが仕事を終えて二階へ上がってきては、「家の様子がスッカリ変わっていて、ビックリ」というコトが繰り返されている。

終わってスッカリ片づいたら、「素敵な女の子のお部屋が出来上がり」♪
せちたろー、「スゴイ!お姉さんっぽい素敵な部屋!私、今夜からココで寝てイイ?」と言い出す。
「え??よ」
娘の成長に目を細める母であった。

が、しかし。
ココに思わぬ落とし穴が・・・・!!
音もなく忍び寄る、子供時代崩壊の足音!愛し合う母と娘を引き裂く運命とは!?待て、次号!

いや、待たなくてイイ。スグ続く↓

・・・ふと、せちたろーが言った。
「ねえ、このシロフォン(鉄琴)もう、捨ててイイ?」
ワシ、思わず「むっ」としながら、
「止めてよ!コレ高かったのよ!!簡単に捨てないでよ」

ふと、見るとせちたろーが何とも言えない表情でワシを見ている・・・・
「・・・・お母さん、コレ、サンタさんからのプレゼントじゃなかったの?もしかして、サンタさんはお母さんだったの・・・・?」
みるみるせちたろーの目に涙があぁ!!!

「ごめんっ!!サンタの正体はお母さんだよ!でも、ソレはアナタを騙すつもりじゃなくて、アナタに幸せな子供時代を送ってもらいたいバカリにヤッタ事なの。悪気があってヤッタ事じゃないの。判って頂戴!ゴメンねゴメンね。ホントはお母さんだったの」
抱きしめてひたすら謝る、ワシ。
せちたろー、ひとしきり泣いた後、「うん。ワカッタ。でも、今年も来てくれる?コレでサンタさんとお別れはイヤだ、もう二度とクリスマスの夜に素敵なことが起きないのはイヤだ」と言った。

「今年も来るよ。アナタが来て欲しいと願う限りは、サンタさんは毎年やって来て、プレゼントを置いていってくれるよ」母、フォローする。

数時間後、せちたろー「お母さん、サンタさんはホントにいるって、さっきまで本気で信じていたよ」と言う。
「うん。子供の頃はそう信じていた方が楽しいかな?って思っていたの。ごめんね、傷ついた?」と聞くと、
「ううん。嬉しかったよ。サンタさんを信じていられたから」と言った。
子供時代の魔法がひとつ、解けた。