山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

熊本の美しく元気な婆ちゃんたちを観る

近所のMさんが、ウチの前の山道を登っていくのを見かけて、前に彼女から注文を受けていた皿がもう出来上がっていたコトを思い出す。

声を掛けて、寄って貰い、お見せする。
その中から4枚選んで頂いて、ご購入。
「一枚1000円にして」と言われるのを、4枚で1500円(中途半端な値段)にて売る。

Mさんが帰られたあと、
「なんで、お金取るんだよ」とダンナがワシに文句言う。
「イヤ。お金を戴いた方が、使う人も『コレコレこーいうの作って』とワシにワガママを言いやすいから、その方がお互いのためなんだよ。だって、タダだったら『ワシの要らなくなった失敗作』しか貰えないモンね。イランものタダで貰うより、いるモノをお金出して買った方がその人自身にとっても、ワシにとっても、シアワセなコトなんだってば」と言っておく。
「ソレの方がヨクないか?」
ダンナ、納得。

午前中、ローカル局制作のドキュメンタリーを観る。
最高齢77歳の十数名オール婆ちゃんライダースによる「原チャリつらねて北海道ツーリング」のレポート番組である。

ある日、「バイクの楽しさ」に目覚め、仲間を集めてみんなでツーリングするようになった熊本の婆ちゃん達。
みんなイキイキと自分自身に誇りを持ち、元気にライダー生活を楽しんでいらっしゃる。
「事実は小説より奇なり」
まるで、「ストレイト・ストーリー」が束になってやって来たような話。

ソレまでの年3回の恒例ツーリングに加えて、
「冥土のみやげに北海道にも行くコトを決めた」と笑う婆ちゃん。
「来年は78歳になって、婆ちゃんになりますけん今年のウチに行っておかないと」と言っては
「もう、今でも婆ちゃんよ」と茶々を入れられて大笑いするその顔の美しいこと。

ツーリング先の北海道でも原チャリ連ねて走る婆ちゃん達は、注目の的。
観光客に握手や写真を求められながら、二日間かけて、ばあちゃん達は北海道の大地200数十キロを走破。
目的地の温泉に全員無事到着するところで、この番組は終わる。

なんか、羨ましくなった。
ココには「人生への不平不満で口角が下がりっぱなしの愚痴だらけ老人」は一人もイナイ。
メンバー一人一人が、前向きに自分自身の人生を喜んでいる。
しかも、ソレが自分自身のみならず、関わる周囲の人に暖かいオーラとなって、降り注ぐ。
美しいなあと、感動。

老後の目標=「婆ちゃんライダース・ツーリング・クラブ」のメンバーになる!