山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「楽園をください」ってナンだよっ!?

「お昼ご飯にラーメンが食べたいのぉ?」と、ダンナに言ってみる。
ダンナ、「うん。良いねえ」と言いつつ、クルマを出す。
「何処にする?」と言うと「天神まで我慢できる?」と言い出す始末。

・・・ワシ、てっきり近所のラーメン屋だと思ったから、ノーメイクでしかもフリースの上着(思いっきり普段着)着用で、髪もボサボサなんですけドー。
「仕事の撮影用にお人形を作らなきゃイケナイから、その材料仕入れに行かなきゃ」だって、ダンナ。
ワシ、こんなカッコで天神まで出たくナイんだけドー。

しかも、突然思いついたように「そうだ。オレ、子鬼をみといてやるから、映画見てオイデよ」と言い出す始末。
「え!?心の準備が出来てないっ」焦るワシ。
「イイから、観てきなよ」

・・・というワケで親不孝通りで皿ウドン食べた後(親不孝通りには美味しい長崎皿ウドンのお店がある)、映画館へ走って行って、「楽園をください」を観る。
上映開始3分前に劇場にすべり込む。

舞台は南北戦争中のアメリカ、ミズーリ州の辺境地域。
攻め込む北軍に対し、南軍は農村の青年達によってゲリラ組織を結成。
ゲリラ戦によって北軍に戦いを挑んでいたという物語。

いわゆる青春群像の映画なのだが、戦争あり略奪ありスペクタクルあり殺人あり愛あり友情あり、「シアワセってナニ?」あり。
モノスゴイ物沢山さ。
よくぞ、コレを二時間弱に纏めた。

そのせいか、前半と後半の印象がまるで違う映画。
前半は「悲劇的な典型的アメリカン・ニュー・シネマ風」
後半は「アン・リー監督(「グリーン・デスティニー」でオスカー候補)のロマンチック節が唸り続ける!!」って感じ(どんな感じだよ?)

客の入りは10人前後。
平日お昼の上映にしてはマシな方か?
悪役を演じるジョナサン・リース・マイヤーズ(「ベルベット・ゴールドマイン」)の退廃的な美しさにウットリしてしまう。
タイプの違う美男がゾロゾロ出てくるので、「女性向きな映画」なのかも?
アン・リー監督のニンゲンに対する優しい視線が光る秀作。

誰だ!?「楽園をください」なんて物欲しげで品が無いタイトル(邦題)をつけたのわあぁっ!!
(原題は「Ride with a Devil」馬でドドドド??っと乗り付けて、殺しまくって奪い尽くす。ゲリラ達のその様子を巧く言い表している)
物欲しげなタイトルは「癒されたい」なんて「卑しい」「さもしい」考えがアリアリ出ていて気味が悪い。