山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「リトル・ダンサー」覚え書き・本家日記は下↓

まず、主演の少年の「元気いっぱいな踊り」に好感を持つ。
美人妻Jさんちの長男(小6)に立ち振る舞いが似ているので、ついつい笑ってしまう。
「今時珍しい一生懸命型男子」

ストーリィとしては、イギリスが経済的に一番参っていた時期に撮られた、同じような主題の映画が「ケス」だとすれば、新世紀に向けて希望を高らかに歌い上げたのがこの映画と言える。
ブラス!」の誇り高さと「フル・モンティ」のおかしみと哀しみを併せ持った名画となった。

自分の中の「やむにやまれぬ衝動」を持ち続けることの大切さ。
自分のタマシイに正直になることの大事さをとつとつと語り続ける。
「イイ大人」が子供達と自分たちのために、本気で作った映画。

同じような「恵まれない田舎の少年が、自分の才能で自分の人生を切り開く」という内容の映画は色々あるが、「グッド・ウィル・ハンティング」の選民思想とも違う、「遠い空の向こうに」の「こんな田舎から逃げ出したい」という想いとも違う、なんか、もっと「やむにやまれぬ、辛抱タマラン想い」が人間を突き動かす。という部分に素直に共感がもてた。

自分のタマシイの命ずるままに、自分を信じて生きて行きなさい。と少年少女を励ます映画でもある。コレは。

「物語のための物語」では無く(最近このテの映画が多くて?「ダンサー・インザ・ダーク」とか「グラディエーター」とか)←いや、ソレはソレで楽しめるんだけど?。
「本気でそー思っている人が、本気で書いた物語」だ。コレは。

ビリーがバレエ学校を受験するときに、面接試験で答える台詞では思わず、危うく嗚咽を上げて泣き伏しそうになった、ワシ。

11歳で親元を離れることの辛さ(ワシだったら出来ないカモ?)、家族愛。
すべては定石通りに進行するが、ハリウッド的なあざとさやこれ見よがしの感動盛り上げ手法はとられないので、しみじみと自分のペースで感動に浸れる。
そしてラスト、14年後。少年は立派な筋骨たくましい「雄の白鳥になりました」とさ!?

リトル・ダンサー」、場内すすり泣きと爆笑の連続で二時間タップリ楽しむことが出来た。
隣の席の人がズ??ッと泣いていたので、ワシも安心して泣き続けていたのだが、映画終了後、明るくなって隣を観たら、「オッサン」だったので、オドロいた。
観客の年齢層もバラバラ、男女も半々であった。