山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

ダンナの正体

ダンナ、お休みなのでワシの図書館行きに付き合う。
移動中、クルマの中での会話。

「この前さ、輸入車ショーに行ったジャン。あの時オレは改めて知ったね」
「ナニヲ?」
「クルマを見るのと同じくらいの熱心さで、コンパニオンのお姉さんの写真を撮るのに夢中なヤローどもがいるという事実」
「あ。そりゃーもう」
「オレなんか、全然興味ナイからさ、クルマの写真撮ってる時にお姉さんがコンパニオン立ちしてファインダー内に割り込んでくると、『どけ!』ってカンジだけど、もっぱらお姉さん中心の写真撮ってるオトコも半分はイタなー」
「あぁ、モデルさんの撮影会だと思えば、あの入場料じゃ安いからねー。元カメラ小僧大集合」
「オレの隣にお姉さんの写真を一生懸命撮ってるオッサンがいてさ、『はぁ、ナルホド』と思って観察してたら、オレを気にしてシャッター切らないの」
「一応、後ろめたい・・・と?」
「自分のスケベ心がバレタとでも思ったらしいが、オレはアンタのことなんか知らんわい」
「イヤもう、あーいう人たちはまるでポケモンを集めるかのように、それぞれのユニフォームを着込んだお姉さんを全種収集しようと奮闘しているんだから」
「集めて、どーする。別にお姉さん本人を家までお持ち帰り出来るわけでもナイのに」
「後で写真を分類分析して、『ボク的には、この黒いレザーの質感とスカートのスリットの入り具合がめっちゃストライク♪』とか、自分の好みを激しく追求するのではナイかしラ?」
「よーわからんわ。オレ」

そーなのだ。
ウチのダンナというヒトは「綺麗なだけの女」にまるで興味がナイ。
それは、女性を「花のように、モノのように愛でる趣味」が全然ナイと言うことなのでワシ的には結構な事だ。
でも、その分。女性に対するチェックが手厳しい。
「心が狭い」「顔が悪い」「女臭い」「性格が悪い」「気味が悪い」「頭悪い」と容赦ない。
この人には「美人ぶりっこ」「被害者ぶりっこ」等の「表面的な取り繕い」は通用しない。
とても貴重なタイプのオトコではあるが、世間のオトコがウチのダンナみたいなヒトばかりになったら、多分、女性全般は生きにくいとも思える。

夕方、植木屋さんが来る。
「何処に植えましょうか?植える場所がイッパイですねー」と言われる。
買った山法師を庭の真ん中に植えて貰う。
下から登ってくると、丁度イイ具合に見える位置。
シンボル・ツリーが出来た。