山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

熊本で少女時代を思い出す

熊本へGO!

ワシの出身校である、熊本県立第二高校の美術科作品展&OB展を見るためと、友人の(高校の同級生)オーツカ君(日本画家)の個展を見に行くため。
先ずは、OB展から見学。作品数が少なく、寂しい。ガックリ。
一方、在校生の作品展は「百花繚乱」
才能の花園の迷宮に迷い込んだ。
触れなば切れんばかりの、とぎすまされた感性と自意識の洪水。
キラキラと輝き、さんざめく若い才能のざわめき。

美術科は創立30周年。
一人の日本画教師が戦後、
「こんな悲劇を二度と起こさないためにも、人生の役に立たないコトをやる子供を育てよう」
で、出来たのが「公立の美術専門高校」
校区は県下全域。
いわゆる「ワシらの村の天才」が集まる学校で、よく言えば「個性的」悪く言えば「自分勝手でマイペース」な生徒が多かった(と言うか、「ほとんど全員」がお山の大将状態)

授業はアカデミックな美術教育中心のカリキュラムが組まれ、カースト制度もある。
一番エライのは油絵専攻で、次が彫刻か日本画?デザイン専攻の生徒は問題外。
そんな学校。
卒業後もやはり、(国公立の)芸大に進学する生徒が一番偉くて、次が美術大学
総合大学の芸術学部進学組は「肩身が狭い」(ワシ?)

そんな学校であるが、さすがにアカデミックな鍛えられ方をしているせいか、「絵の足腰が強い」
在校生の作品も「下手な美術大学の卒業制作展より上等」である。

この「描くことに対する情熱」を20歳以降、どれだけ忘れずに維持できるかが、その後の創作活動が続けられるか否かの「分かれ道」だと、オバチャンは思うのだガ。
みんな、忘れずに頑張れ?。

「若い才能」にとても感心しながら、隣の会場のオーツカ君の個展へ移動。
今年は金箔を使ったオリジナルの日本画の個展であるが、うぅ???ん!豪華絢爛!!

もう、フルエが来るくらいに美しい世界。
地元新聞で短期連載された小説の挿し絵も描いていたので一緒に展示されていたが、
それも素晴らしかった。

オーツカ君本来の持ち味である、華麗だが冷たくてエロチック、そしてなおかつ決して下品にはならずに
端正でありながら、「絶対的な美」が支配する世界。
会場が静寂な美で水のように、音楽のように満たされている。感動。

会場では幼なじみの母上(日本画家)に20数年ぶりで偶然、会う。
お話もして、その少女のような潔癖で潔い考え方に感動。
こんな年輩の方もいるので、人生は面白い。