山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

猫の墓標

かねてからの約束で、娘らを連れて陶芸へ行く。
以前、ある婦人雑誌に「赤ん坊背負って陶芸の道」というエッセイを書いたが、非道いタイトルだ。もともとの自分でつけたタイトルは「主婦的陶芸生活」だったのだが、編集のヒトが「もっと分かりやすいタイトルに・・」ってコレにしたのよね・・・・。(遠い目)

陶芸は、今年でもう7年もやってるのに一向に上手くならない。
むしろ、年々センスが悪く、志も低くなってる気がする。
「たとえ下手でも、志は高く。」がモットーだったのに。
なんせ、下の娘が生まれてからは制作力が落ちて、小物しか作れない日々が続いた。(ほら、背負ってるし・・・)
仕方がナイので、ペンダントヘッドを沢山作って、自分で革ひもやワイヤーでチョーカーに仕立てて、ウチに遊びに来たヒトやお世話になってるヒトに配ったらやたら評判がイイ。
ある、自分で染色をやっててブティックを持ってるヒトが、「自分の店で売りたい。」と言ってきたが、どーなることやら。(ホントにワシの作品でイイのか?)私はネットのオークションにまず、出してみようと思ってたんだけど。

で、娘は2時間ほどかけてブリちゃんの墓標を作る。
チョー立派な作品が出来る。
厚さ3センチほど、差し渡し25センチほどのハート型プレート。
小さな十字架が中心に貼り付けられ、「ブリ 1994-2000」という文字とブリの笑った顔が彫り込まれている。小鳥や花のスタンプ(インド更紗用の木版)で縁取られ、とてもステキだ。
娘は満足そうに「スゴクカワイイのができたよ。」と言った。
ブリちゃんは幸せ者である。
拾ってきた本人にここまでしてもらって。元・野良としては最良の生涯だな。
寺山海岸で飢えて、貝殻ペロペロ舐めてた猫にしちゃあ、上等だ。

作品は素焼き後、ワラを乗せて釉薬は掛けずにガスの焼き締めで本焼きする。
たぶん(粘土がそーいうタイプのブレンドにしてあるから)石っぽい、花崗岩に一瞬見間違える質感に仕上がる筈。
ブリ、喜べ。