山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

焼き場であったことの備忘録

・お葬式のあと、焼き場まで行ったんですけどね。

そのときに、会場側から、焼き上がりを待っている親族に向けて和菓子の差し入れがあったんですよ。

中身は=おはぎ、黒糖まんじゅう、桜餅、豆大福、柏餅

で、ありました。

いとこ妹はリウマチで手がうまく動かないので、ワシが親族一同に和菓子を配って回ったんですけど。

いとこ兄がワシに向かって言うですよ↓

「爺さん連中におもにお餅を配ってやってね」

 

ワシ「え??」と、思わずいとこ兄の顔を二度見すると彼はこう言い放ちました↓

「ここは焼き場、ここで逝ってしまえば話が早い」

 

(⌒,_ゝ⌒)

思わず吹き出してしまいましたが。

 

まあコレが手始めで、彼の不謹慎な冗談はその後も延々と続きまして。

お骨が焼き上がって、骨を拾いに行くときも、コロナ対策で「一度に拾えるのは10人まで」と人数制限がかかってたんですね。

 

近親者と遠くから駆けつけた人たち、一応、弐号機も未経験者ってことで

「これも勉強だから、経験しておきなさい」

とワシに拉致られて(^_^;)無理やりお骨拾いをさせられる事になったんですけどね。

 

他の人達は扉の外に締め出されて、完全に密室になったお骨拾いの場で、いとこ兄の冗談がまた炸裂するわけですよ。

おかげで、お骨拾いながら全員で爆笑につぐ爆笑で。

扉の外でお骨拾いが終わるのを待ってたオットによると、

「みんながお骨を拾ってるはずなのに爆笑しているから何が起きたんだろうと心配になってきた」

んだそうですw

 

一番笑ったのは、焼けたお骨の中に黒いコードが残ってて

「ん?何だこれは」

と見てたら、「ペースメーカーの部品」なんだそうです。

「へー、こんなにも燃え残るものなんだ」と見てたら、いとこ兄がそれを見ながらぼそっと一言こう言ったんですね↓

 

「ペースメーカーの電池、あと10年分はあったのに…モッタイナイ

 

その場にいた全員(20代から80代の男女)、のけぞって天を仰いで大笑いですよ。

 

・それと、今回の焼き場では、着火スイッチを押すのは職員さんがやってくれたのでそれはすごく良かったですね。

北九州市だと親族、喪主がスイッチを押す係になっているので、その重圧と悲しみ、そのプレッシャーの重さに耐えきれず泣き崩れて押せない人も出てくるというのに(オットだ)

そこはとても良いと思いました。

こういう事は事務的に進めたほうがいいんですよ多分。

「選べるギフト」は何にするのか問題

さて、お葬式とか法事に行きますと、「選べるギフトカタログ」というものをいただくことが多いです。

これは指定のカタログから自分の欲しい物を選んではがきで申し込めば、お香典や御霊前のお返しとして、食べ物とか、ちょっとした小物や食器類、バッグや装身具なんかが送ってくるというものであります。

 

ところがですね。

結婚式等でもこのカタログギフト、もらうことがありますが…

正直、その「選べるギフト」の中身は、ワシの欲しくないものばかりで、選ぶに選ぶこともできず(「どれもいらないや…どうしよう」と困っている)、そのまま申込みの締め切りを過ぎちゃうってこともあるくらいなんですよ。

 

んで、申し込まないままに締切期間をすぎるとどうなってしまうのか、みなさんご存知ですか?

ワシはやらかした前歴があるので知ってますw

ギフトカタログの会社から直電がかかってきますよ(;^ω^)

ギフトカタログの会社の人は「何か一つ選んでください」と言ってきます。

でも欲しい物がなにもないので、カタログなんてとっくの昔に捨てているわけでして。

 

「いやー、欲しい物がなくてカタログも手元に残ってないんですよねえ」

と正直に言うことになります。

ごめんね、本当に欲しい物が何一つなかったのよそのカタログ。

 

ところがギフトカタログの会社の人も食い下がります。

「なにか、覚えてらっしゃるギフトはおありですか??」

ひえーー(-_-;)本当にいらないものばかりで、本当にうちに送ってきてほしくないものばかりなんです、許してください(´;ω;`)

 

「とにかく、権利は放棄します。いりませんから」

と言って電話を切ったんですが、その後、ギフトカタログの会社からギフト送り主のところにも連絡が行きまして(゚∀゚)

「なんでミカちゃん、選んでくれなかったの」と電話で言われてしまうという、悲しいお話。

 

いや、本当に、ほしくないものはいらないんですよ。うーむ、なんでわかってくれないんだろう。

 

ところがですね。

今回の叔母の葬儀のギフトカタログは素晴らしいですね。欲しい物がいっぱいw

目移りしちゃいます。

家族で話し合って、「ほしいけど、自分じゃ買いそうにないものを選びましょう」ということにしました。

「甘海老」とか「黒毛和牛」とか自分で買いますしねw

 

そして数日間悩んだ結果、弐号機は「ウクレレ」に決定↓

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ワシは「ストームグラス」にしました↓

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オットは「ダースベイダーのフィギュア…」とか言ってましたが、却下です。

 

今回のお葬式の覚書

・お葬式のバッグは昔ほどのこだわりはない模様 レスポートサックの派手派手バッグあり、ド紫のデイバッグありの、基本、皆さんレザーのハンドバッグだった

これならワシのブルーグレイのクロコダイルバッグでも問題ない気がした(気の所為)

・いとこ兄の娘二人がワシのことをちゃんと覚えててくれた 2歳頃と小学校低学年頃の二回しか会ってないのに、「あ!!コンクリート打ちっぱなしの超かっこいい家に住んでました(前に住んでいたマンション)よね?あんな家に住んでいる人を見たの生まれて初めてだったので、カルチャーショックが大きくて、よく覚えてます!!」と力いっぱいに言われた(^_^;)

・何故かみんな、ウチの先々代の猫「サラちゃん」(黒いメス猫)をよく覚えてたw

・叔母の主治医からお花が届いてて、その名前が英語名だったので「??」と思ってたら、本当にアメリカ人のドクターだった。

写真を見せてもらったら、本当にタッパがあって黒髪の超男前(いわゆる「グッドルッキングガイ」?モデルみたい)だったので驚いた。

叔母は彼に恋してたらしく(;^ω^)、診察の日は朝からウキウキしてイソイソしてたらしいw

それで思い出したのだが、叔母の母(つまりワシの父方の祖母)も晩年、主治医に恋してしまって(超ハンサムで若くて感じの良いドクター)、診察のある日は朝からイソイソとし、主治医の前で服を脱ぐときはとても嬉しそうに恥じらいながらニコニコしてたらしいので、「血筋だ…」(-_-;)と実感するワシ。

「死ぬまで恋をする家系」な事が判明…

「推しを持つことのパワー」を思い知らされた出来事でした_(:3」∠)_

・実家父のいとこ(つまり叔母の夫の兄弟でもある←近親婚だから)が来てて、「Rさん(父の兄)とTさん(父)の分も骨を拾いますバイ!!」と宣言して骨を拾ってた

・叔母は昭和28年(1953年)の大水害の被災者だった(久留米で筑後川が氾濫し洪水が起きた)

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国土交通省HPより

・今回、しまむらで弐号機はバッグと靴、お念珠、ネックレスを購入。ワシも靴とストッキングを購入したのだが、これらが素晴らしかった。

ワシの葬儀用バッグとか30年前に旧博多井筒屋(現博多阪急)で2万円で買ったバッグなのに、財布も入らない袱紗も入らないくらい使えないバッグなのに、しまむらの葬儀用バッグは1780円?とかで大きさも十分、デザインも色々あって上品でめっちゃ使えるぞ!

靴も一日中履いてても全然足も痛くならずに快適で、ストッキングもほどよい着圧とはき込みが深くて(へその上まで来る)暖かくて良かった。

しまむらは本当に使えるお店(迫真)

下戸がつどいてお互いを笑かしに来る

というわけで、父の名代で出かけてまいりました叔母のお葬式。

もう数十年ぶりに会う親戚多数で、話が弾む弾む_(:3」∠)_

お葬式だけと、コロナ禍のせいもあって参列者は30名ほど。

 

まず会場に入ると、叔母の思い出が動画に仕立てられてて、モニターで流されておりました。

どの写真もコスプレとか変な被り物をしているもので、「ああ、本当に一昨年くらいまでは元気で普通に暮らしていたんだなあ」とわかりました(つまり95歳女性のコスプレ写真が多数)

目も耳も頭も手足腰もしゃんとなさってて、普通に生活し、こうやっておどけた写真を沢山残せるくらいお元気だったって事ですよ。

 

そこで久しぶりにいとこ兄妹とも再会しまして。

いとこ兄が骨格、立ち姿、振る舞い、雰囲気、髪の毛のウェーブ&ふさふさ具合が実家の父に生き写しでワシが驚愕してしまいました。

今回なくなった叔母は近親婚で(いとこ婚)

H家とT家両方の遺伝子を濃く伝えるいとこ兄が、ワシの実弟よりワシの父にうり二つなのは…これはもう当然といいましょうか。

「遺伝子ってすごいな」

を実感しました。

 

そして会場内を見渡せば、血がつながっている人たち全員「髪の毛が異常にふさふさ」でしたねw

亡くなった叔母も最後まで髪の毛ふさふさで、会場内髪の毛を一つ結びにしている女性は全員、その髪の毛を結んでいる太さが、「象をもつなぐ程の太さ」でありました。

 

そして一族最年少のこの子ですら↓

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この毛量w

ちなみに、ウチの一族全員、赤ん坊の頃はこの髪型なんですw

顔もうちの娘ズの赤ん坊の頃によく似てたので、驚きました(いとこの孫ってそんなに似るものでしたっけ?)

この子は日本人なら誰もが知っている老舗の跡継ぎで、いとこの娘はその老舗の御曹司と結婚してるのですが。

「…御曹司、どんな人だろう」と少し興味があったんですが。

実際に会ってみるとシュッとした男前で、すごく感じの良い若いパパでした。

 

叔母は幼くして亡くした最初の娘の写真を胸に抱いて旅立ちましたよ。

幸せな天寿を全うして亡くなった人のお葬式とはこんなにも和やかで笑いに満ちた(!!)ものかと知りました。

 

なんせ親戚一同、どうにか会話の隙をついて、互いを笑かせようとする人ばかりなので油断もすきもあったもんじゃあない。しかも全員下戸。

結局、焼き場でお骨を拾うときも全員大爆笑しながら拾うという前代未聞の経験をしながら帰宅しました。

 

葬式に着ていく服の問題

と、言うわけで。

お葬式に行く準備をどんどん進めております。

ここ最近、お葬式に行くことがなかったので、慌てて泥縄式に準備しております。

 

んで、弐号機の喪服がないと気がついたわけですよ。

高校生までなら「制服で行く」という選択肢もあったのですが、えー…

立派に社会人ですから。

「自分で買ってください」ってことになるんですけど。

この子が、買ってない!買ってないったらないっ!圧倒的にないっ!!ないっ!!!

 

まあ、親の監督不行き届きもあるんすけどね。

「明日しまむらで買ってきなさい」とか昨日の夕方は言ってたのですが、夜になってふと思い出しました。

「あれ?40歳くらいのときに買った喪服が確か、可愛いデザインで上品で良かったな」

と。

クローゼットを漁ってみたら、はい、ちゃんとありました。

 

風呂に入ろうとしてた弐号機をとっ捕まえて、着せてみたら。

「まあ、誂えたみたいにピッタリ&すごく似合う&お上品!!」

ワシが40歳当時、ちゃんとした喪服を持ってなかったんで、「いいデザインだな」と思ったものが千趣会(通販)で出てたんで買ったものなんですよ。

確か1~2回くらいしか着てないはずです。

 

つまり、40歳の頃のワシの体型と弐号機の今の体型が近似値ってことですか(^_^;)

 

Aラインの膝丈のワンピースで、胸の下にサテンのリボンが巻いてあって半袖。

その上に羽織る大きめの丸襟がついたジャケットもあるんですけど、いい感じの黒です。

 

「なんだーこれでいいじゃん」と言うと、弐号機も「これ、可愛くて上品でいいね」と気に入った様子。

「じゃあ、お葬式はそれで行っていいわね、無いのは靴とバッグか。これはしまむらでお安いので十分だと思うよ」

というわけでまたたく間に解決しました。

 

そして思い立って、妊娠、出産前後が立て続けにお葬式があって、そのために買ったAラインのワンピースもあるので、それを弐号機に着せてみたらこれもまたバッチリでしたので、これも弐号機に上げることになりました。

サマーウールの前後に見事なプリーツが入ったロング丈のジャケット?ジレ??がついてる黒のワンピースドレス。

今はなきIMSの一階にあったセレクトショップで買ったもので、当時8万円くらいした記憶…

妊娠、出産直後でも着ることができたワンピースですけど、今見ても気品があって良いドレスです。

 

ワシは去年の夏に買ったZARAの黒のワンピースにしまむらのノーカラージャケットを合わせて行くことにしました(靴だけしまむらで新調しよう 30年ものの礼装用のフランス製ハイヒールはお払い箱にしてもバチは当たらんやろ)

もしかしたらブログを休むかものお知らせ

本日、お昼に叔母が亡くなったとの知らせが、実弟から入りまして。

ちょいとドタバタしております。

 

明日明後日と、このブログの更新ができるのかできないのか…今はまだよくわかりません。

もしも数日間ブログを休んじゃったら……すまんな!!(`・ω・´)ノ←何故かエラソー

 

叔母は実家の父の一番上の姉で、戦中戦後は熊本の女学校で先生をなさってた方です。

まー、矍鑠としてて。90過ぎても頭も耳もしゃんとなさってて、たまに電話すると、腹式呼吸でハリのあるお声で会話なさる方でした。

 

現役の頃は警察官のご主人についてあちこち転勤なさり、最後は福岡市郊外におちついて、余生を過ごされていたのですが。

「そうかー、亡くなったのか」と思いました(90過ぎてあんなに元気なんだから余裕で100歳超えでも元気にしてそうだなと勝手に思ってた)

 

この年末年始、訃報をよく耳にします。

この寒さが堪えるんでしょうか。

 

どちらさまもご自愛なさって、暖かく、平和にお過ごしください。

あらあらかしこφ(..)

 

 

 

「血の轍」

年末に取りだめてたテレビ番組を見てたら、現役の漫画家がリレー方式で「好きな漫画を紹介する」というコーナーがあってですね。

そこである漫画家さんが推されてたのがこの漫画でした↓

csbs.shogakukan.co.jp

一見、美人で物静かな母「静子」とその静子の一粒種、溺愛されている息子の「静一」

この二人をめぐる「サイコサスペンス」な物語であります。

 

弐号機が番組内での「血の轍」の紹介コメントを聞いてて、

「この漫画面白そう、買おうかな」

と言ってたので、

「買ったらお母さんにも読ませてね」

などと言ってたら、本当に9巻まで大人買いしてきました。

 

はい、読ませていただきましたともー(゚∀゚)

……

………(^_^;)

あのー、その本(「血の轍」を指差しながら)がリビングに置いてあるの、すごく怖いんですけど…

片付けてもらっていいですか?

本から邪気が湧いてきてるのが肉眼で見えるほどなんですけど…

 

とまあ、それほどに恐ろしい漫画でした。

「まあ、母親なんて母親になったところで、腹の中の赤ん坊が生まれる前に堕ろすことだって、自分の胸先三寸でやっちゃえるような生き物なんだから、半分鬼みたいなものなんだよねえ…その事がわかってない女の人だってたくさんいるのに(つまり母性への純粋な信仰とも言える、「母はみな子を慈しみ愛しぬく」「母は自分を犠牲にしてでも子を守る」という「母性信仰」)、この作者の人、男の人なのに母の恐ろしさをよく知ってらっしゃるわね(単純に感心)」

が、ワシの感想でした。

 

そしてこの主人公の母「静子」

この人の恐ろしさに妙に既視感があると思ったら。

「妻は告白する」(若尾文子主演 増村保造監督 1961年 大映

ja.wikipedia.org

この映画の主人公「彩子」に似ているんですよ、「静一の母、静子」は!!

 

映画の主人公「彩子」は不幸な結婚生活を送っている女性なのですが、ある時、夫と登山中に遭難し、夫が死んでしまいます。

その死は故意だったのか、生きるためのやむを得ない措置だったのか?法廷で争うという映画なんですけどね。

 

美しく、しとやかな彩子が、映画が進むにつれて、その虚像が剥がれ落ちていき真の姿が顕になるシーンが、実に、実にホラーなんですよ。

男を自分の手のひらに囲い込んで、その生殺与奪の権利をすべて自分のものとし。

自分の胸先三寸で、ぎゅっと握りつぶして殺してしまうことも厭わない、女郎蜘蛛のような女。

「あーー、これだこれだ」思い出せてスッキリしました(゚∀゚)

 

ぜひ、漫画「血の轍」も映画「妻は告白する」も未見であったなら、ご覧になってくださいね。

「女というのは度し難い生き物だ」という一面を教えてくれますよ。